広報こしがや

1999年04月15日

No.321 慢性関節リウマチについて 板橋 秀雄

慢性関節リウマチは多くの関節に痛み、はれ、変形、そして破壊がおこって機能障害にまでいたる病気で、間質性肺炎、腎障害など内臓にも症状がでる全身の 病気です。30~40歳代の女性に多く男性の3~5倍の発症頻度です。職場では中堅の人々、家庭にあっては妊娠、出産、育児の真っ盛りの主婦に多いのです から多くの問題が生じてきます。また原因が依然としてわからないために根本的治療法はまだありません。
しかし確実に治療法は進歩しています。早期に診断を受け、初期の段階で正しい治療を受けることにより進行をくい止めることができるようになり、かつてのようにひどい関節変形をきたす方は少なくなっています。
薬物療法の治療目標は、関節を形成する滑膜(かつまく)の炎症を抑制して関節の軟骨と骨破壊の進行を阻止することです。痛みに対しては非ステロイド抗炎 症薬が用いられます。またリウマチの自然歴を変える薬として抗リウマチ薬が早期の段階から使用されるようになり治療成績向上につながっています。最近では 副腎皮質ステロイド薬も滑膜の炎症を抑制して関節破壊を阻止する作用があるといわれています。
これらの治療薬は一般的に副作用の出現する頻度が高いのが特徴です。副作用の中には時に重度なものもあり安易な抗リウマチ薬の使用は避けなければなりま せんがあまりに慎重になり過ぎ時期を逸したら元も子もありません。薬剤を投与される前に、どのような副作用がでやすいか、副作用が出現したらどのように対 応するか主治医とよく相談しておくことが大切です。
しかし副作用が起こったとしても早期に発見しその薬を中止することで回復することが可能です。副作用をあまりにも心配しすぎる必要はありません。むしろ定期的検査を行い肝機能などの検査上の異常をはやく見つけ出すことが重要なのです。
このようにリウマチは治療法の選択もむずかしい時間のかかる病気であり、患者さんと主治医がたゆまなく手を携えて病気と闘って行くことが大切です。さら にリウマチ患者さん自身も受け身ではなく積極的に広く正しい知識を身につけてくださるようお願いします。このために(社)日本リウマチ友の会(察 03=3258=6565)などを活用されてはいかがでしょうか。

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