広報こしがや

2009年02月01日

No.447 血圧の薬について -種類・働く仕組み・副作用- 越谷津田医院 津田 達広

血圧の薬は大きく6種類に分けられ、それぞれ働く仕組みや副作用が異なります。状況で使い分けられます。
「カルシウム拮抗薬」…〈働く仕組み〉血管の筋肉が収縮すると、血圧が上昇するのですが、それを抑えることで血圧を降下させます。〈副作用〉頻度は少ないのですが、血管の拡張による頭痛、ほてり、のぼせや歯肉炎などがあります。
「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」…〈働く仕組み〉体内では、血圧を上昇させる作用のあるアンジオテンシンⅡという物質が作られていますが、この薬はアンジオテンシンⅡの産生を抑えることで血圧を降下させます。〈副作用〉咳が出やすくなったり、むくみがでることがあります。
「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬」…〈働く仕組み〉体内には、血圧を上昇させる作用のあるアンジオテンシンⅡという物質が存在しているのですが、この薬はアンジオテンシンⅡが組織で働かないようにすることで血圧を降下させます。〈副作用〉頻度は少ないのですがむくみがでることがあります。
「β(ベータ)ブロッカー」…〈働く仕組み〉自律神経には、心拍数や体内をめぐる血液の量を増やして血圧を上昇させるβ作用という仕組みがあるのですが、この薬はβ作用の働きを抑えることで血圧を降下させます。〈副作用〉心拍数を減らす作用があり徐脈(脈が遅くなること)や心不全に注意が必要です。他に気管支症状の悪化、手足の冷え、めまい、だるさ、むくみなどがでることがあります。
「α(アルファ)ブロッカー」…〈働く仕組み〉自律神経には、血管を収縮させ血圧を上昇させるα作用という仕組みがあるのですが、この薬はα作用の働きを抑えることで血圧を降下させます。〈副作用〉立ちくらみを起こすことがあります。
「利尿薬」…〈働く仕組み〉体の中に存在するナトリウムという物質には、体内をめぐる血液の量を増やして血圧を上昇させる作用があるのですが、この薬は尿としてナトリウム、水分の排泄を促し血圧を降下させます。〈副作用〉足がつったり筋、力低下動、悸などがでることがあります。
ご使用されている血圧の薬がどの種類なのか確かめてみましょう。副作用等で気になることがあればかかりつけの医師にお尋ねください。

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