広報こしがや

2010年02月01日

No.459 花粉症の眼科的治療 川原眼科 川原 陽子

アレルギー性結膜炎は、眼に起こるアレルギー症状です。原因は主に、花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などです。これらのアレルギーの中でも花粉症は、国内患者数が人口の15%を超えると言われており、眼科には主に眼のかゆみを訴えて受診されます。
1.花粉症の季節
花粉と言えばスギ花粉が最も有名なため、春を連想させますが、花粉は多くの種類の草や木によって産生されています。このため花粉は年間を通じて飛散しています。
2.花粉症対策
毎年、眼がかゆくなる季節が分かれば、かゆみの原因となる花粉がおおむね推測できます。これが飛散し始める2週間前から化学伝達物質遊離抑制薬という薬を使用しておくと、花粉症状を軽く抑えることができます。
特にかゆみが強い場合には、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤の点眼薬を併用します。ステロイド点眼剤は非常に良く効く半面、緑内障などの副作用に注意が必要ですので、眼科医の指導下での使用が必須です。
3.日常と花粉症
メガネやマスクの装用も効果的です。普通のメガネを装用するだけで、眼に入る花粉の量を減らすことができます。同様にマスクも鼻に入る花粉の量を大幅に減らすことができます。
また、涙によって排出される花粉も一度コンタクトレンズに付着すると眼外へ排出されにくくなりますので、コンタクトレンズ使用中の人は症状に応じて、装用時間の短縮、使い捨てレンズへの切り替えを講ずる必要があります。
おわりに…
花粉症は眼科、内科、耳鼻科など複数の科で連携して治療する病気です。ステロイド点眼液は、花粉症では非常によく使われる薬で、内科や耳鼻科などからも処方されることがあります。ステロイド点眼液を使っている人は、定期的に眼科で副作用の検査を受けておきましょう。

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