広報こしがや

2011年04月01日

No.473 心筋梗塞 おおさとファミリークリニック 鈴木 一隆

心筋梗塞は心臓自体に栄養素や酸素を運ぶ冠動脈という血管が詰まる事で起きる病気です。一方で狭心症は冠動脈が完全には詰まらず、血管内が狭くなり詰まりかけた状態です。心筋梗塞の症状は多くの場合は急激な胸の痛みや、胸をつかまれるような感覚を認めます。運動時や寒暖差が大きい時に短時間で改善する同様の胸の症状を事前に自覚する場合もあります。また、左手の痛みやしびれ、肩痛、背部痛など胸以外の症状が出ることもあります。この様な症状を自覚されている人は医療機関にご相談ください。
心筋梗塞が起きると、詰まった場所から先の部分の心臓の筋肉が死んでしまいます。そうすると心臓の機能低下が起こり、心不全や不整脈が起きやすくなり、最悪の場合は死に至ります。治療としては、注射で冠動脈内の詰まった部分を溶かして治す方法や心臓カテーテルを行い風船で冠動脈内の狭くなった部分を機械的に広げる方法などがあります。また、回復後は予防も含めて継続的な内服治療が必要になります。
血管が詰まる理由の多くが動脈硬化をもとに起こります。動脈硬化は血管が硬くなり老化する現象です。原因としては糖尿病や高血圧、高コレステロール血症、高尿酸血症(痛風)、喫煙、肥満、運動不足といった生活習慣病が重要です。禁煙、節酒、適度な運動、適正体重の維持が大切で、減塩(6g/日未満)や油脂類を控える事も大切になります。生活習慣病を治療する事が動脈硬化予防になり、ひいては心筋梗塞や狭心症を予防する事につながります。健康診断で異常値を指摘されている人や高血圧等を自覚されている人は医療機関にご相談ください。

過去のホームドクター