広報こしがや

2011年12月01日

No.481 食物アレルギー しらこばと子供クリニック 大村 純一郎

食物が豊かになり、特にタ食物が豊かになり、特にタンパク質・脂肪の多い食事が増え、感染症が減少し、腸内細菌が変化したことなどで食物アレルギーが増えていると考えられています。
〈原因食品〉卵・牛乳・小麦が3歳ごろまでの主な食物で、その80%までは3歳ごろまでに耐性ができ軽快します。学童以降で発症する甲殻類・魚類・そば・ピーナッツなどの食物アレルギーは、耐性を獲得しにくい傾向があります。
〈症状〉皮膚症状80% (じんま疹・湿疹・アトピー性皮膚炎) 、呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状、ショック症状の順で、大部分が皮膚症状です。
〈診断〉具体的な症状、食べた物の内容、過去に同じ症状た物の内容、過去に同じ症状があったかなど、日ごろから食事日誌などをつけると診断の参考になります。食物特異IgE検査や最終的には食物の除去試験や負荷試験が必要となります。
〈食物アレルギーのメカニズム〉牛乳などのタンパク質を摂取するとき、アミノ酸などの小さい粒子にまで分解して取り込みますが、アレルギー体質や消化機能の未熟な赤ちゃんでは分解できないままの大きな粒子で取り込まれるため、細菌やウイルスなどと同様に異物として排除する仕組みが働いてしまいます。
〈消化管機能・免疫機能の発達と耐性獲得 (免疫的寛容) 〉赤ちゃんの成長とともに消化機能が発達し、消化酵素が増加することなどによって摂取した食物は十分に消化されるようになり、食物アレルギーの原因がなくなります。また、消化管が成熟し、お腹の感染予防に重要なIgAという粘膜免疫が働くことによりバリア機能が強化され、異物の取り込みを阻止できるようになります。
〈治療 ・ 対応〉①原因食の除去が基本ですが、成長期の子どもにとってバランスが悪くならないように必要最小限の去とすることが大切です。②低アレルゲン化 ・ 代用食品の利用 (a)牛乳アレルギー…加水分解ミルク・ヨーグルト・豆乳 (b)大豆アレルギー…みそ・醤油・納豆などの発酵食品
(c)小麦アレルギー…米食 (d)卵アレルギー…加熱処理(ただし、オボムコイドIgE陽性では不可)③薬物治療…抗アレルギー薬など。④急速経口減感作療法 (食べて治す) …短期間入院し、 原因食物を摂取して耐性を作る。などの治療法があります。

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