広報こしがや

2018年01月05日

NO.551 怖くないかも!? 大腸がん かずよし内科クリニック 鈴木 一義

怖くないかも!? 大腸がん…とは言え、やはりがんは怖い病気です。発見が遅れ、他の臓器に転移をしている状態で診断されると命を脅かします。しかし裏を返せば早期に発見し、適切な治療を行えば、命を脅かされることはほぼありません。  大腸がんを早期に発見するための手段として、越谷市でも毎年大腸がん検診を行っています(今年度は11月10日まで)。大腸がん検診は便潜血検査(いわゆる検便)で行い、大腸カメラ検査を受けたほうがいい人を見つけます。便を提出するだけの簡単な検査ですが、2013年の日本の大腸がん検診の受診率は男性が41%、女性が34%と先進国の中では低水準になっています。どんなに健康に気を遣っていても、大腸がんを患ってしまう可能性はどなたにもあります。ぜひ、大腸がん検診を毎年受けてください。  大腸がん検診で便潜血陽性と判断されると、大腸カメラ検査を受けることになります。この大腸カメラ検査に怖いイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないかと思います。しかしながら初めて大腸カメラ検査を受けた患者さんの多くが「思っていたよりずっと楽だった」、「これならもっと早く受ければよかった」、「検査そのものより下剤を飲む準備の方が大変だった」などの感想をお話しになります。  便潜血検査が陽性の方で、実際に大腸がんが見つかるのは2~4%といわれています。少ないと感じるかもしれませんが、それでも便潜血陽性の方の中に確実に大腸がんは潜んでいるのです。また、がんは見つからなくても、ポリープ(腺腫)が発見される方は多くいらっしゃいます。大腸がんの多くはポリープの一部にがんが発生し、時間をかけて徐々に増大して最終的には、進行がんになるという過程を踏みます(すべてのポリープががんになるわけではありません)。小さなポリープであれば発見しだい、その場で切除することも可能です。つまり大腸カメラ検査でがんを発見するだけではなく、がんの芽を摘むことが可能なのです。  本当に怖いのは大腸がんでも大腸カメラでもなく、便潜血陽性と判断されたにも関わらず、大腸カメラ検査を受けないことなのではないかと私は思います。

 

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