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2018年02月01日

NO.555 乾燥性のかゆみ かがやき眼科皮膚科クリニック 西尾 祐美

冬になると体があちこちかゆくなることがあります。特に就寝時、布団に入って体が温まるとかゆくなる、という方が多いです。これはもしかしたら乾燥性のかゆみかもしれません。
 年齢とともに肌は乾燥しやすくなっていきます。これは、年とともに皮脂の分泌が減っていくこと、また、セラミドと呼ばれる肌の保湿成分も減っていくことなどが原因です。さらに冬は空気が乾燥するため、肌の乾燥が進んでしまいます。
 肌は老若男女問わず、乾燥するとかゆくなります。これは、乾燥した肌はバリア機能が落ちているためにさまざまな刺激を受けやすいことや、乾燥した肌はかゆみ神経が表面近くまで伸びてきてしまうことなどが原因です。そのため、何も発疹が出ていないように見える部分もかゆくなってしまうのです。加齢による乾燥肌は、50歳~60歳代頃から始まることが多いですが、もともとの肌のタイプや生活習慣によっては30歳代から始まることもあります。
 それをさらに放置したりかきむしったりしていると、赤くガサガサとした湿疹になってしまいます。ここまでくると皮膚科での治療が必要です。
 乾燥肌までであれば、日頃のスキンケアで対応が可能です。
 一番大切なのは入浴後の保湿ケアです。お風呂上がりすぐに、肌に水分があってしっとりしているうちに塗ると効果的です。しっとりするタイプの保湿クリームやボディクリームなどをまんべんなく塗りましょう。乾燥の程度により1日1回~3回程度塗るとよいでしょう。また、かゆいからといってゴシゴシこすることや、せっけんの使い過ぎも注意が必要です。かえって乾燥を進めてしまいます。これらのスキンケアは、かゆみを止めるというよりもかゆみが出ないようにするためのものなので、毎日行うことが大切です。
 空気の乾燥する秋口から春先がかゆみの出やすい時期ですが、最近では夏でもエアコンを多用するため乾燥性のかゆみが出ることがあります。 その場合は一年中スキンケアが必要になってきます。毎日のお手入れで、かゆみのないしっとり肌を目指しましょう。

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