広報こしがや

2019年08月01日

No.571 特定健診で健康管理を  関医院  六波羅 明紀

 特定健診は越谷市と越谷市医師会が取り組んでいる、メタボリックシンドロームに重点を置いた生活習慣病を早期発見するための健康診査です。対象者は越谷市国民健康保険に加入している、40歳以上75歳未満の方です。

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が増え、生活習慣病や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの血管の病気になりやすくなっている状態をいいます。特定健診はメタボリックシンドロームのなどの生活習慣病に進む危険性の高い人を早期に見つけるため、年一回無料で受診することができます。内容は腹囲の測定や血圧測定、血液検査、尿検査、問診となっています。

 腹囲を測定し男性であれば85センチ以上、女性では90センチ以上がメタボリックシンドローム診断の必須項目です。あとは血圧85分の130㎜Hg以上が一つの指標で、血液検査では空腹時血糖が110㎎/dl以上を陽性とします。また、中性脂肪やHDLコレステロールといった血清脂質を測定し、それぞれ150㎎/dl以上、40㎎/dl未満を陽性とします。このように血圧、血糖、脂質を参考にし、メタボリックシンドロームを診断します。越谷市では血液検査で肝臓、腎臓、貧血、尿酸の検査も行っているので、同時にこれらの項目の健康度を知ることができます。

 現在、健康診断受診者の20%~30%に脂肪肝が認められています。その大部分はメタボリックシンドロームの表れと考えられています。一部には、脂肪肝から肝炎を起こし肝硬変に進展するNASHと呼ばれる病態があり、注意が必要です。また、貧血からいろいろな臓器のがんが見つかることもあるので、血液検査は重要な検査です。

 受診方法としては、5月下旬に対象者には受診券と受診案内が送付されていると思いますので、必要事項を記入し、保険証をお持ちになり受診案内のとおり受診してください。健診をきっかけにおもわぬ病気の早期発見につながることもあります。1年に1回の健診で一とおりの大まかな健康状態を見ることができるので、大変おすすめです。ぜひこの機会に受診しましょう。

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