広報こしがや

2020年10月06日

NO.586 最近の緑内障点眼薬について かがやき眼科皮膚科クリニック 西尾正哉

 緑内障という病名はよく耳にすると思いますが、実際どういう病気なのかご存じの方は少ないようです。
緑内障は視神経が少しずつ傷んでくることで、その傷んだ部分の視野が欠けていく病気です。眼圧(眼の圧力)を下げれば視神経の傷みが少なくなることが知られています。
 そこで緑内障の治療は、まずは点眼で眼圧を下げることから始めます。眼圧を下げて緑内障による視神経の傷みが進むのを抑え、生涯にわたって日常に必要な視機能を維持することが治療の目的となります。
 その緑内障の治療に欠かせない点眼薬ですが、最近はその種類が豊富になってきました。これは緑内障治療の選択肢が増えることになり、例えば、ある種類の点眼薬の効果が小さいといった場合、別の種類の点眼薬に切り替えてみる、ということができますし、これまである点眼薬で緑内障のコントロールがついていたものの効果が薄れてきたという場合も、別の種類の点眼薬を追加することで治療効果を高めることが可能となります。このように緑内障の治療薬が増えることは、患者さん・医療者双方にメリットがあると言えます。
 ところが、点眼薬が増えることのデメリットもあります。
 それは、点眼薬の種類が増え過ぎると、1日に何回も何種類も点眼をしなければならなくなり、効果的な点眼ができなくなることがあります。 さらに、点眼の種類が多くなると点眼薬そのものに対してまぶたのかぶれを起こすなどの副作用も見られるようになってきます。
 このような副作用を減らそうと、いまでは2種類の点眼薬を混ぜて1本の点眼にした配合剤という点眼薬が多く販売されています。これまで2回点眼していたところを1回で済むということで、きちんと点眼するのが難しいと感じていた患者さんも点眼が楽になったと好評です。
 もし皆さんが点眼の種類が多くて大変、と感じておられましたら、点眼の本数を減らせないか、一度主治医の先生にご相談されてみてはいかがでしょうか。

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