NO.641号 睡眠時無呼吸症候群(SAS) 東越谷4丁目クリニック 原 真範
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる・浅くなることで睡眠障害を引き起こす病気です。日中の強い眠気や集中力の低下、疲労感などの症状が現れ、生活の質が低下します。近年、SASが原因となる重大な交通事故が報道されることも多く、また生活習慣病や心血管疾患とも関連があることが明らかになり、注目されています。
SASの多くは、睡眠中に舌や軟口蓋(上あご奥の柔らかい部分)が弛緩し、一時的に気道が閉塞することが原因です。特に肥満や扁桃肥大、あごの小さい人はリスクが高いとされています。呼吸が止まることで、心臓や脳をはじめとする臓器が酸素不足に陥ります。これに対し、脳は呼吸を回復させようと一時的に覚醒を促すため、睡眠が断続的に中断されます。この結果、夜間に交感神経が過度に緊張し、高血圧、不整脈、心不全などの心血管疾患や、脳卒中、糖尿病、うつ病、認知機能の低下を引き起こすことが分かっています。
患者さんの多くは、家族から「いびきをかいている」「呼吸が止まっている」と指摘されたり、日中の眠気や疲労感、朝の頭痛、睡眠中の窒息感を自覚したりして受診されます。以前は診断のために入院して検査を行う必要がありましたが、現在では自宅で行える簡易的な睡眠検査が普及しており、診療ガイドラインでも推奨されています。簡易睡眠検査、または、より精密な睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行い重症のSASと診断されれば、保険適用で持続的陽圧呼吸療法(CPAP)を受けることができます。
CPAPは、重症のSASに対する第一選択の治療法です。自宅のベッドサイドに設置したCPAP機器本体から鼻マスクを通じて気道に空気を送り、陽圧をかけて気道の閉塞を防ぎます。旅行や出張時に携行できる小型の機器もあり、利便性が向上しています。また、軽症から中等症のSASには、口腔内装置(マウスピース)の効果も認められています。
SASは適切な診断と治療を受けることで生活の質は向上し、合併症を予防することができます。いびきや日中の眠気が気になる方は、ぜひかかりつけの医師にご相談ください。
SASの多くは、睡眠中に舌や軟口蓋(上あご奥の柔らかい部分)が弛緩し、一時的に気道が閉塞することが原因です。特に肥満や扁桃肥大、あごの小さい人はリスクが高いとされています。呼吸が止まることで、心臓や脳をはじめとする臓器が酸素不足に陥ります。これに対し、脳は呼吸を回復させようと一時的に覚醒を促すため、睡眠が断続的に中断されます。この結果、夜間に交感神経が過度に緊張し、高血圧、不整脈、心不全などの心血管疾患や、脳卒中、糖尿病、うつ病、認知機能の低下を引き起こすことが分かっています。
患者さんの多くは、家族から「いびきをかいている」「呼吸が止まっている」と指摘されたり、日中の眠気や疲労感、朝の頭痛、睡眠中の窒息感を自覚したりして受診されます。以前は診断のために入院して検査を行う必要がありましたが、現在では自宅で行える簡易的な睡眠検査が普及しており、診療ガイドラインでも推奨されています。簡易睡眠検査、または、より精密な睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行い重症のSASと診断されれば、保険適用で持続的陽圧呼吸療法(CPAP)を受けることができます。
CPAPは、重症のSASに対する第一選択の治療法です。自宅のベッドサイドに設置したCPAP機器本体から鼻マスクを通じて気道に空気を送り、陽圧をかけて気道の閉塞を防ぎます。旅行や出張時に携行できる小型の機器もあり、利便性が向上しています。また、軽症から中等症のSASには、口腔内装置(マウスピース)の効果も認められています。
SASは適切な診断と治療を受けることで生活の質は向上し、合併症を予防することができます。いびきや日中の眠気が気になる方は、ぜひかかりつけの医師にご相談ください。