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№528 死因第3位になった肺炎の予防法について  南越谷健身会クリニック 周東 寛

 厚生労働省の人口動態統計によると肺炎は国民の死因第3位です。肺炎は重症化すると命にかかわる病気です。年齢や体力によっては発熱や咳、胸の痛みなど典型的な症状がはっきりしないことがあり注意が必要です。発熱を伴わない長引く咳は喘息と思われることもありますが、胸部のCTスキャンや血液検査で診断がつきます。
 肺炎の原因菌で最も多いのは肺炎球菌です。高齢者や2歳以上の基礎疾患のある小児には、肺炎球菌ワクチン接種が推奨されています。去年の10月から高齢者の定期接種の制度が始まりました。対象者は年度によって決められています。
 肺炎球菌も含めて肺炎の原因となる細菌やウイルスは人の体や日常生活の場に季節に関係なく存在します。最近提案されている肺炎の予防法を紹介します。『①朝起きたら歯磨きをしましょう』…口の中の歯周病菌などの細菌は唾液の少ない就寝中に増殖します。そのまま食事をすればそれらの細菌を飲み込んでしまいます。会話をすれば唾液の中に混じった細菌を気道に吸い込んでしまいます。起床後うがいや歯磨きをしてから飲んだり食べたりしゃべったりする習慣を身につけましょう。『②トイレは済んだらすぐに蓋をして流しましょう』…トイレで水を流すと飛まつがあがり、細菌が空気中に浮遊して口腔や鼻から気道に吸われます。予防のためにトイレの蓋をしてから水を流すように習慣化しましょう。トイレの中でおしゃべりしないようにしましょう。『③誤嚥に気をつけましょう』…年をとると飲みこむ力や咳反射が弱くなり、食べ物や唾液が誤って気管内に入ってしまう事があります。それと一緒に口の中の細菌が気管に入って肺炎の原因になります。食事はゆっくりとよくかんで、しゃべるのは口の中の食べ物を飲み込んでからにしましょう。
 これからの季節、インフルエンザや風邪の後に肺炎にかかることもあります。故にインフルエンザや風邪の予防は大事です。外出後の手洗いやうがい、人混みでのマスクの着用を励行しましょう。