広報こしがや

№530「まずはかかりつけ医」越谷市医師会 会長 登坂 薫

謹んで新年のお慶びを申し上げます。市民の皆様方が今年も健康で、平穏で有意義な一年を送られる事を祈念しております。私たち越谷市医師会会員340人は今年も市民の健康と命を守るという責務に全力を挙げて取り組んで行きます。
 新年に当たって理想的な医療のかかり方についてお話します。市内には、かかりつけ機能を持つ診療所および中小病院と、市立病院、獨協越谷病院の二つの大病院があります。現実問題として大病院は、患者さんで溢れ、外来待ち時間が長く、一日仕事になってしまいます。一方、忙しいので医師、看護師の勤務も過酷になり本来の大病院の機能を十分に果たせないままです。大病院の本来の機能には救急医療、開業医では診断と治療が困難な症例の診察、新生児・未熟児等の特殊医療、災害医療などが挙げられます。大病院本来の機能を果たすためには、安心だからという理由で患者さんが風邪でも何でも大病院を受診する傾向を少しでも控えて頂く事です。そして何でも相談できる「かかりつけ医」を見つけ、そこの診察を受けて下さい。必要と判断すれば直ぐに大病院を紹介してくれます。
 そのために私たち開業医も患者さんの信頼に応えるように研さんを積まなければなりません。各自の所属学会への参加はもちろん、医師会は毎月学術講演会を開き著名な先生をお呼びして、講演後も治療に難渋した症例などで活発な意見交換をしています。また、医療事故を防ぐため年に一回医療事故防止対策研修会も開催し、医師や看護師、事務職員などが多数参加しています。
 そして一般開業医の診察時間は多彩です。早朝、午後5時以降、日曜日、土曜日午後などの時間に診察している医療機関がたくさんあり、市、医師会のホームページから検索できます。言うまでもありませんが、越谷市には夜間急患診療所があり、365日年中無休で午後8時から11時まで診察しています。探せば大体かかりたい時に診察している医療機関を見つける事ができます。
 何でもかんでも大病院では無く、まず「かかりつけ医」を受診して下さい。この習慣が根付けば越谷市の医療はもっと良くなるはずです。