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NO.560 眼瞼下垂症について  レイクタウン眼科 木田橋 久明

 眼瞼下垂症について

眼瞼下垂症とは、まぶたが下がってくる病気です。まぶたが下がってくると見えづらい、目が疲れるなどの症状が出てきます。後天性と先天性の眼瞼下垂があります。
 後天性眼瞼下垂の場合、一番多いのが加齢性の眼瞼下垂です。これはまぶたを吊り上げている眼瞼挙筋という筋肉が緩んでくるために起こります。
 神経の病気である重症筋無力症、動眼神経麻痺などによっても起こることがあります。重症筋無力症による眼瞼下垂は一日のうちで変動するのが特徴であり、物がだぶって見えるなどの症状が出現します。動眼神経麻痺による眼瞼下垂は眼球の動きに異常が出る場合があり、糖尿病や高血圧、動脈硬化や脳動脈りゅう等が原因になることがあります。脳動脈りゅうが疑われる場合は緊急に検査が必要となります。また、最近よくみられるのがコンタクトレンズの長期使用者に起こるコンタクト性の眼瞼下垂です。
 先天性眼瞼下垂は生まれつきまぶたが下がっています。これはもともと、眼瞼挙筋の収縮力がほとんどないことに原因があります。重症の場合は視力の発達を阻害するため早期の手術が必要です。
 眼瞼下垂症とよく間違われる病気に眼瞼皮膚弛緩症というものがあります。これは加齢とともに上まぶたの皮膚が弛んで、まぶたが下ってくる病気です。眼瞼下垂が進行してくると物を見ようとするときにあごを挙げたり、まぶたを無理やり挙げようとするため、額にしわが寄ったり、眉毛が挙がったりして非常に疲れやすくなります。
 眼瞼下垂の治療は、加齢性、先天性、コンタクト性が原因のものでは手術の適応となり、眼瞼挙筋を短縮してまぶたを吊り上げます。上眼瞼皮膚弛緩症では余分な皮膚を切除します。重症筋無力症や動眼神経麻痺による眼瞼下垂は原因となっている病気の治療をします。
 ふだんから目が疲れる、見えづらい、肩こりが続いているなど、もしかすると眼瞼下垂の可能性も考えられます。 眼瞼下垂の中には先ほど述べた緊急性を要する病気もあるため、眼瞼下垂が疑われた場合は眼科医の診察を受けることをお勧めします。