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NO.583 糖尿病への運動・食事療法と膵細胞ミトコンドリア 南越谷健身会クリニック 周東 寛 

 糖尿病の運動・食事療法を勧める目的は、膵細胞内のミトコンドリアを改善することにあります。体の細胞の中でエネルギーを作っているのはミトコンドリアです。体細胞のミトコンドリアが減少すれば能力が低下することになります。
 ミトコンドリアの異常が生み出す病気の代表は、生活習慣病です。ミトコンドリアを増やすような生活方法は有酸素運動や筋トレをすること、体を温めることや、寒さを感じること、空腹を感じたりすることなどが考えられます。
 ミトコンドリアを増やす食材として、ニラ、ニンニク、タマネギ、トマト、ブロッコリー、スルメなどがあります。これらの成分である硫化リアル、リコピン、タウリン、スルフォラファンなどが抗酸化物質に変化し、細胞を助けミトコンドリアを増やすと言われています。また、食べすぎ、飲みすぎ等では細胞内のミトコンドリアが抑制され、例えばすい臓のβ細胞のミトコンドリアが病んでしまい減少します。すると、インスリン産生が著減して糖尿病が発症してくるということです。
 メタボリックシンドロームの定義に、糖尿病、高血圧、脂質異常症があります。糖尿病は全身疾患です。したがって毎日の高血糖シャワーにより糖化現象が起こり、体細胞や各臓器に障害が起きてしまうのです。糖尿病患者にHbA1cを改善させるにはまず糖を減らす治療および糖を利用することを盛んにする治療に、ミトコンドリアを増やす治療と生活習慣の改善(運動療法と食事療法、薬物療法など)を行って欲しいと勧めています。毎日の生活の中でさ湯を飲んで小腸を温め、空腹を感じることなどがミトコンドリアを増やすので、断食療法の効果はそこにあります。
 まとめると、ミトコンドリアを増やすには、さ湯を飲んで適度な運動により体を温めたり寒さを感じたり、好き嫌いをしない食生活、規則正しい生活をすることです。それによりアンチエイジングにつながり免疫力が高まります。免疫学的にも抵抗力を上げさまざまな病気の発症予防にもつながっていくと思います。