NO.590 新型コロナウイルス感染症対策 越谷市医師会 会長 原 直
新年明けましておめでとうございます。昨年、中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、パンデミックとなりました。東京に近い埼玉県東部地域にある越谷市においても、比較的多くの市民が感染しました。新型コロナウイルス感染症は、発熱、咽頭痛、咳嗽、全身けん怠感といった症状に始まり、呼吸困難、味覚や嗅覚障害が出現することもあります。
高齢者や基礎疾患のある方の中には、肺炎や呼吸不全となり亡くなることもあります。医師会では、昨年4月より医療機関からの紹介によるPCR検査センターを立ち上げ、多くの方を早期診断できるようにいたしました。完全防護服を着用して医師会員が実施しております。中核市である越谷市では、医師会と保健所との連携が大変良く出来ており、保健所から依頼のクラスター対策のPCR検査も実施しております。万一、陽性になった場合は、保健所の管理下となり症状に合わせて治療を受けることになります。新型コロナの初期症状では、インフルエンザとほとんど区別できません。そこで、発熱患者をなるべく出さないようにするため、越谷市にインフルエンザワクチン接種の補助をお願いしました。昨年はより多くの市民が接種したことと思います。感染予防には、手洗い、うがい、消毒、マスク着用、3密を避ける、そして換気が重要です。
越谷市には、発熱外来対応の医療機関は約60カ所あります。発熱や味覚・嗅覚障害が出現し医療機関にかかる場合は、前もって必ず電話で予約して受診するようにしてください。連絡せずに急に行っても、十分な感染防御ができない場合は、再度来ていただく場合もございます。また、基礎疾患のある方は通院を控えずに、ぜひ治療を継続してください。治療をしないでいると万一感染した場合には、重症化する恐れがあります。今年中には新型コロナワクチンが開発され、全国民に接種できるようになります。その際には、いち早く多くの市民の皆様に接種できる体制を医師会では検討しております。「やみくもに恐れずに、冷静にそして適切に対処する」ことを基本方針として新型コロナウイルス感染症対策を実施してまいります。