広報こしがや

NO.602 令和4年新型コロナウィルス感染対策 越谷市医師会会長 原 直 

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という)の変異株が出現し、世界中に次々とまん延していきました。
 日本では、第4波後の昨年5月より、COVID-19ワクチン接種が高齢者より始まりました。ワクチン接種は基礎疾患のある人、60歳以上、50歳以上と順次対象年齢を下げ、若い人へと移行しました。
 しかし東京オリンピック直後の8月中旬には、デルタ株感染による第5波がピークを迎え、越谷市でも自宅療養者が700人を超えました。同下旬には、血中酸素濃度が93%を下回る人が出て、入院までに数日かかるといった非常事態となりました。
 医師会では、このままでは自宅療養者に犠牲者が出る、すぐに自宅で酸素投与をして対処すべきと判断しました。急遽、酸素濃縮装置を25台確保して、医師会連携窓口がコーディネーターとなり市内の訪問看護ステーションと協力して、入院まで自宅で酸素投与を実施しました。30人弱の方々に投与して、約2週間で危機的状況を脱し、1人の犠牲者も出さずに済みました。
 その後ワクチン接種は10歳代まで進み、11月には市民のワクチン接種率はついには80%を超えました。感染者は、激減しております。ワクチンの効果は絶大です。しかしワクチン接種後、6カ月以上経過すると抗体価はかなり低下します。いわゆるブレークスルー感染が起こりやすくなる可能性があります。ワクチン接種率の高いイスラエル、欧米や韓国でも再度感染が拡大しました。また新たな変異株(オミクロン株)出現により、日本においても第6波襲来となる可能性もあります。
 これに備えCOVID-19ワクチンのブースター効果を目的に、本年2月より接種後7カ月経過した市民の3回目接種が開始されます。接種は、個別を中心に集団も実施予定です。また、5歳から12歳までの1・2回目の接種も開始される予定です。
 今までどおり感染症対策の基本は、手洗い、うがい、消毒、マスク着用、密を避けるおよび換気が重要です。いつの日か国産の効果的な治療薬も出て、状況は劇的に変わるものと予想されます。それまでは、越谷市医師会としてCOVID-19対策を「適切にそして迅速」に実施してまいります。