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NO.606 胃がん検診の重要性 がずよし内科 鈴木一義

 胃がんは日本において患者数、死亡数が多いがんの一つであり、一般的に広く認知されています。
 ある程度進行してしまっている状態では外科的な手術が必要になりますが、病期によっては腹部を大きく切開する開腹手術ではなく、複数の小さな穴を開けることによる腹腔鏡手術での根治も可能です。
 早期がんであれば内視鏡(胃カメラ)による切除も可能であり、一泊程度の入院でがんを根治させることも可能になっています。がんイコール死の病というのは過去の話であり、胃がんにおいてもさまざまな治療法が確立され、完治される患者さんも多数いらっしゃいます。 
 また、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が胃がんの原因として多くを占めることが分かっており、感染が確認されればピロリ菌を除菌することにより胃がんリスクを軽減させることが可能です。治療によりリスクを軽減させることができる数少ないがんの一つなのです。
 胃がん検診の受診は科学的に胃がんの死亡率を減少させることが認められており、内視鏡検査または胃X線検査(バリウム検査)が推奨されています。
 越谷市では40歳以上の市民を対象に胃がん検診を行っています。年度年齢が40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳・75歳の方は併せてピロリ菌の検査が可能です。
 定期的に胃がん検診を受診し、ピロリ菌に感染していれば除菌治療をする。これで胃がんにより命を落とすリスクはかなり減らすことができます。
 越谷市の胃がん検診受診率は例年6%前後で推移しています。胃がんの撲滅に向けて、この数字を押し上げていかなければなりません。
 今年も5月10日?から胃がん検診が始まります。医療機関によってはそろそろ予約の受け付けが開始されるころかと思われます。胃の調子がよくても、実は進行胃がんにり患しているケースはたくさんあります。
 まだ受診したことがない方、しばらく受診していない方には特に受診をお勧めいたします。