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NO.617 訪問診療について~あなたや家族が通院できなくなったら~ こしがや在宅クリニック 角田 修

 訪問診療とは、病状の悪化などにより通院が難しい患者さんのご自宅を医師が定期的に訪問し、診察、検査、処置、処方などを行います。「内科(外科)外来が定期的に出張してくる」と想像していただくと分かりやすいかもしれません。急に体調が悪くなった場合には臨時の診察(往診)や電話相談で対応します。病状によっては病院へ紹介することもあります。「住み慣れた自宅などで過ごしながら療養することができる」というのが訪問診療のメリットです。その他、入院治療と比較して経済的な負担が少なくなる場合が多いこともメリットのひとつと言えます。訪問看護、リハビリ、薬局、訪問介護(ヘルパー)、デイサービスなど、他の医療や介護サービスと連携して、在宅で療養する患者さんやご家族をサポートします。
〇訪問診療を利用するには?
 介護サービスを受けている方は担当の「ケアマネジャー」、介護認定を申請していない方は「地域包括支援センター」、掛かりつけの病院がある方や入院中の方は「病院の相談員」などに相談してください。病状やお住まいの地域などから適切な医療機関を案内してくれます。越谷市の方ですと、「越谷市医療と介護の相談窓口(℡ 910-9140)」で、医療・福祉に精通したスタッフに相談をすることができます。
〇訪問診療ではどんなことをするの?
 訪問診療ではさまざまな治療や処置、検査を受けることができます。医療機関にもよりますが、点滴、傷や床ずれの処置、酸素吸入、人工呼吸器、経管栄養(胃ろう)、膀胱(ぼうこう)留置カテーテル、人工肛門など、さまざまな処置に対応しています。残念ながら大がかりな治療や検査は難しいのですが、血液や尿の検査、医療機関によっては心電図や超音波検査も行います。
〇「看取(みと)り」はしてもらえるの?
 病院での治療が一とおり終われば通院で経過を見るのが一般的です。特にがんや難病の患者さんでは通院自体が困難であることが多く、訪問診療を受けながらご自宅での療養を希望する方が多くなってきています。その経過の中で、ご自宅で最期を迎えたいと希望する方も多くいらっしゃいます。訪問診療では、そのような患者さんに対して苦痛の症状をできるだけ緩和して最期を迎えるようお手伝いすることもしています。