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NO.616 脂肪肝について 北越谷そめやクリニック 染谷 秀忍


 現在、運動不足、過食、肥満傾向により脂肪肝の方が増加しております。肝臓に脂肪が増えてたくさんたまった状態が脂肪肝です。
脂肪肝は自覚症状がない人がほとんどであり、軽い病気だと考えられ、健康診断や診察などで指摘されても気にせず放置されてしまう方も多いです。しかし、脂肪肝の中には肝硬変や肝臓がんに進行する可能性のあるものがあります。
 脂肪肝にはお酒を飲みすぎた人に発症するアルコール性のものと、あまりお酒は飲んでいないのに発症する非アルコール性のものが
あります。
 皆様もNASHという用語を聞いたことがあるかもしれませんが、飲酒習慣がない非アルコール性の脂肪肝の中で、今後肝硬変や肝臓がんに進行していく可能性があるものが非アルコール性脂肪肝炎(NASH)です。肝炎が長期にわたると肝臓が硬くなった状態である肝硬変になり、進行してしまうと倦怠感、黄疸、むくみ、腹水、胃食道静脈瘤の破裂(吐血)、肝性脳症(意識障害)、肝臓がんなどさまざまな症状や合併症を伴い治療が困難となっていきます。
 近年、肝硬変や肝臓がんの原因としてB型肝炎やC型肝炎といったウイルス性肝炎は減少していますが、急増する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が注目されています。
 脂肪肝は肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴っていることが多いですが、肥満体型でない運動不足、不規則な生活習慣の方や血液検査で肝機能異常を認めていない方にも見られることがあります。
 治療の基本は食事、運動療法を中心とした減量と生活習慣を見直すことです。脂肪肝の人のすべてが重症化して、肝硬変、肝臓がんになるわけではありませんが、脂肪肝を指摘された際は原因となる生活習慣や肥満を改善し、合併する病気の治療を行い、定期的に経過観察していくことが重要です。