広報こしがや

NO.623 新型コロナウイルスワクチン 「令和5年秋開始接種」の勧め 越谷ハートフルクリニック 佐藤陽二


 新型コロナウイルス感染症が日本で最初に報告されてから3年半以上が経過し、感染症法上の分類も5月8日より2類相当から5類に引き下げられました。5類というのはインフルエンザなどと同等になり、行動制限や感染しても以前のような自宅待機などの強制力は無くなりました。街ではマスクをしている人々も徐々に減ってきており、行楽地や飲食店などはコロナ流行以前の活気を取り戻しています。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症は無くなったわけでなく、本稿を執筆している9月下旬ではコロナ感染者は毎週増加傾向で、越谷市では昨冬に流行した第8波のピーク時に迫る勢いです。新型コロナウイルスはこれまでに何度も変異を繰り返しています。現在の主流のウイルスは第8波で流行したオミクロン株系統でなく、オミクロン株から派生したXBB系統が主流になっています。このXBB系統の毒性はオミクロン系統とは同等であるものの、感染力はオミクロン系統よりも強く従来のワクチンが効きにくい性質を持っています。
 越谷市は初回接種を完了した生後6カ月以上の全年齢を対象とした新型コロナワクチンの「令和5年秋開始接種」を9月20日から開始しました。今回用いられるワクチンは従来のオミクロン株対応ワクチンではなく、新しくXBB系統対応ワクチンになっています。現在主流であるXBB系統の新型コロナウイルスに最も効果のあるワクチンと言えます。
 最も強力な感染対策はワクチン接種に勝るものはありません。すでに市民の皆さんのお手元にも令和5年秋開始接種の接種券が届いていると思います。このワクチンは高齢者や基礎疾患のある方はもちろんのこと、それ以外の方々にも接種していただきたいと思います。一人でも多くの市民がワクチンを接種することにより、個人を守ることはもとより地域の感染流行を軽減させることができます。詳しくは市の広報やホームページでご確認ください。